学生時代のノートや記録を整理しています。 16才のノート写し
自然(生命)>という詩を発見しました! 
知ったような論文調だが…今見ても案外変わらないので、転記します。
時代から想像して、会社受験レポートのネタ文は、この辺でしょう??
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    自然(生命) 昭和28年9月18日:記

自然は 休むことがない。 春が去ると夏が
夏が去れば秋が 秋が逝けば冬が

冬のすべてが眠ってしまった様な雪野にも
自然は 力強い鼓動を続ける。
花が咲き
 そして散り
若葉が芽吹き そして落ち 
或いは消え 或いは枯木となっても
春はどこからか 草木の生命を 呼び寄せて来る

人はこうした自然の 小さいちいさい ごく片隅に
営々として ちいさな
自然を営む
老いたるは死に 幼きが生まれ
幼きが育ち 若きが老い

太郎兵衛が死に 権作が死に
権作が娘のお近が 隣村の次郎どんば
嫁御んなって 二人でお花坊ば こさえる

太郎兵衛が 焼き場で 灰になった。
権作は 地蔵さんの脇の雑木林で 土になった。
だが 変わったのは 小さな自然の 太郎兵衛であり権作

自然としての人間は
変わることなく 営々として 鼓動を続けるのだ。
我々は 太郎兵衛であり権作であり
永遠の一部として 今有るに過ぎない。

然し
だが然し 我々はお近ば嫁にもろうて コイッスして
花坊ば産んで 役が済んだで 土に帰
けえるじゃ困るのだ。

ここに人生の 大きな意義がなければならぬ。
自然としての人間(人類)の より良き繁栄を計る為の
遺産を残し また お花坊に伝える・・・・・






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