yo-2

 おさな馴染(踏み切り)



昔の浦和は下水道など完備されてなかった。主に道の両側に溝(みぞ)があり、それがドブで
側溝にふたが無いのがあたりまえだった。水は低地に向かって流れ、水溜りができて川へ流れた。

わたしの家はなだらかな台地の途中の段のようになった所に有る平屋(ひらや)だった。
坂に面した西側は木の塀で、北側は下り斜面の土手で、ひばの垣根に囲われていた。

家の北側の出窓から見ると、ケイサブロー兄さんと清水さんの家が下にあり、屋根の向こうに
自動車教習所とダリヤ畑が見える。其の向こうは行った事の無い遠い森が広がっていた。

多分夏の日だったと思う、家のすぐ側の第三踏切で、向かいの、みさこちゃんが電車に轢かれた。
みさこちゃんの家の石垣のすぐ裏だ
わたしより一回り年上のケイサブローさんに肩車されて見に行ったら、線路の砂利に
黒いしみがあった。怖かったけれど、ピンとこなかった。


家の裏に小さな畑があってドブの水が其のへりを流れ土手から下の茂みに落ちていた。
其の日だったか、翌日だったのか記憶に無いのだが、
畑の中のドブの水が赤かった記憶が、変になまなましくて怖いのだ…
それ以来、みさこちゃんと会わなかったし、わたしが始めて見た<死>だった。


土手の下の茂みは木立があり、土手下は水溜りで赤がえるがいっぱい捕れた。

父が焼いて醤油をつけて、「寝小便が治る…」と食べさせられたが、、、美味しかった!
幼いわたしの冒険や秘密の想い出がいっぱい其処にあった。

これらの記憶を手繰り合わせてみると、この辺の想い出は、5才頃の想い出のようである??


 産まれた処:今昔
半世紀が経過し… わたしの産まれた場所は大きなマンションになっている!
坂道に面して居る事だけが、かすかななごりだ・・・
一面の芋畑とダリヤ畑はびっしりと家並みで埋まった。。。


昔の森の辺から見た写真、遠くに見える茶色のビルが産まれた所だ・・・

産まれた処はマンション! 森まで続いていた畑は家並み



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