yo-3

お医者さんごっこ


坂上のたきざわさんちの北側裏は、いちじくの木が繁っていて、其の樹の下が
のぶこちゃん・たーちゃん姉弟とわたしの、おままごとのお座敷だった。

お座敷と云ってもござをひいただけで、木箱と座布団でも有れば、立派な客間だった。
わたしは坂上のおさむちゃんと同じ小児麻痺でおとなしかったから大抵お客さま役だったと思う。
有る日の想い出に、わたしはのぶこちゃんの旦那さまになり…

何故かお医者さんごっこになつた。お互いにお医者さまになってからだを調べるのだ。
何の性知識も無かったが不思議な興奮があった。


青いいちじくの実をもいで、のぶこちゃんのワレメに浣腸してまもなく…
イターイッ イターイッ
のぶこちゃんが前を押さえて跳ね回って泣いた。
子供心に悪い事がこわくなり、こそこそと逃げ帰ったが、あとで誰からも何も言われなかった。
のぶこちゃんは言い付けなかったのだと思う・・・

わたしは小学校にあがるころ線路の反対側、駅に近い今の場所に引っ越してなんとなく別れた。
わたしが高校に行った頃、彼女はべつの高校の合唱班のプリマで活躍しているのを知って
胸が騒いだ・・・ そしてまた暫く経って彼女が若くして亡くなったのを知った。
其の死因や詳しい事は知らない  合掌


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